2014/08/25
ハリシュに “この映画を観たら ミーナのお父さんを感じた” と 言われて
久しぶりに映画を観た
舞台は 戦争前 中 後の神戸
父と同じような価値観 モノの見方をする Hの父に 馴染みを感じながら
父の若き時代の 神戸を感じていた
子供の頃から 聞かされていた 戦争の頃の話
当時父は ドイツやフランスの商社で 外国人の上司の秘書をしていたので
海外の情勢がよく解り (父は 英語 ドイツ フランス ロシア語が話せた)
“この戦争は絶対に負けるから やってはいけない” と
戦争前から ずっと戦争に反対していた
神戸に空襲が来ることも 1ヶ月位前に察知して
皆は ”来るわけない” と 信じなかったけれど その大人たちに説明をして
自分の幼い弟や 子供達を疎開させて 彼らの命を守った
ナチスのやっている酷いことを知り
ヒトラーの悪口を書いた手紙を 海外の友人に送ったら
検閲に引っかかり 逮捕されそうになったけれど
友達が弁解して かばってくれて 大丈夫だったとか
(余談だけれど 後に別件で調査が入り ”この人は ちゃんとした人だ”
と認められて ”紳士録” に 登録された)
そんな いろんな話が 映画を観ていると オーバーラップしてくる
敗戦を告げる 天皇陛下の言葉の意味も すぐに解って
皆に説明したらしい
校長先生でも解らなかったというのに
そして父は “ 戦争が終わって ホッとした “ と言っていた
映画を見終わって 『少年H』をネットで検索していたら
”嘘の話だ” とか言われている評を チラリと見たりしたけれど
詳しい歴史のことは知らないけれど
私が父から ずっと聞いていた話と とても自然に重なるので
とてもリアルに感じたし それがとても嬉しかった
それに 父と妹尾河童さんは 古くからのお友達で
『少年 H』の本は 妹尾さんから直々に サイン入りで頂いている
映画を観ながら ”戦争というのは 美しい穏やかな日々を
なんと惨く奪ってしまうものなのだろう ” と
ひしひしと感じた
そんな父が ここ10数年 ずっと言っていたこと
” 今の政府のやっている事は 戦争前と全く同じだ
しっかり見張って 絶対に戦争させてはいけない
孫達に辛い思いをさせたくない
戦争はお金儲けのために やっているのだから “ と
そして 戦争というのは 兵士と兵士が戦うもので
民間人を殺すのはルール違反
戦争ではなく 虐殺だ と言っていた
チャップリンが好きだった父
子供の頃 『モダンタイムス』や『独裁者』『殺人狂時代』など
映画館に観につれてってもらった
機械に乗っ取られる人間や 地球をもてあそぶ独裁者
” 一人を殺したら罪になるけれど
多勢を殺したら英雄になる 変な世の中だろ? “ と
小さい頃から 父に教えられていたので
私も父と同じような価値観で 世の中を見ていた
☆
私がいつも “ パパ 100歳まで生きてね “ と 言ったら
“ そんな欲張らなくていいわ 97歳まで生きたいな
曾祖母が 97歳まで生きて 家の家系の一番の長寿だったから “
と 言っていた父が 昨年97歳で 他界した
(先日気づいたのだけど かぞえでは98歳なので 一番の長寿かな?)
旅立つ 一週間前までは とても元気で
8年前に 脳出血、脳梗塞で2度倒れて 半身不随になっても
リハビリを頑張って 階段20段を 上って下りた 父
でも 筋肉に力が入らなくなる 薬の副作用で また歩けなくなり
車椅子から離れられなくなっても
自分の身の回りのことは全部自分で出来て
毎朝 鬚を剃り 服を着替え 朝食を母の分も作り 新聞を読んでいた父
新聞は 三紙取っていたけれど そのうちの一紙は
“ 最近まったくダメだ!” と 何十年も取っていたのに
二、三年前に 取るのをやめてしまった
耳は遠くなったけれど
最期の最後まで まったく惚けることがなかった父
難しい 新しい本を読み
その内容を 私に話して聞かせてくれたりした
そんな父の 若い頃を感じる 『少年H』に 久々の感動と
切なさを感じてしまう
コオロギの鳴いている
2014年の 夏も終わりの頃
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© 2007 GODSGARDEN